「ウソ」
「ふぇ・・」
「のウソ」
「もぉ〜・・どっちだか分からないよ〜」
「あーもう、ホントだよ」
「付き合ってくれるのほうのホント?」
「ああ、そっちのホント。」
「でも、あしたテストでしょ? いいの?」
「何度も言わせんなよ、心配だから付き合ってやる」
「ふぇ・・ふぇぇぇ〜〜・・・うれしい・・うれしいよぉ・・」
「バカ、泣くヤツがあるかよ」
まったく・・・こういう所は昔から変わらないな。
俺は七海の頭をポンと叩き、そっと抱き寄せた。
「ひぐっ・・ふええぇ〜・・・」
腕にすっぽりとおさまる小さな頭と肩から、
泣きじゃくるタイミングに合わせて、震えが伝わってくる。
はぁーあ・・今日は徹夜か・・・。
まぁいいや、コイツが心配なのは本当だし。
仄かな体温を伴って押し当てられる胸の感触に
少しドキドキしながら、そんな事を思った。