印象に残ってるの

  • 色彩論/稲村耕雄  (岩波新書
    • 色を科学するお話。1955年発行なので、色彩感覚に関して過去(戦時中)を悪・当時〜(所謂モダーンな?)を善と割り切りすぎているきらいはあるし、データ的な部分が現在においても通用するかと疑問だったりもするのだが、知らない内容ばかりなので単純に楽しめた。科学的な分析よりも
    • 数学および物理学にたいする知識と能力の不足から、(中略)今日もほとんど無価値とみなされるが、(中略)単なる物理学の一分科である光学では包括できなかった広い色彩の世界の考究が、鋭い直感とすぐれた文学的表現によってもりこまれている。
    • と評されているゲーテ色彩論に興味をもってしまったけど。ロマンチックじゃん?
  • 人生の短さについて 他二篇/セネカ(茂手木元蔵・訳)  (岩波文庫
    • 要点をまとめると「真面目に生きよう」「神最高!」だけなような…財産(お金)は唯一ではないが結構大事だよって件が言い訳がましくて笑えた。
  • 自殺について/ショーペンハウエル(白石立・訳)  (角川文庫)
    • なんだって、人々は、多くのものを、たったひとつきりの世界から期待しているのだろうか!しかも、その世界は、もともと、そのなかで、ほとんどすべての人が、単に、生きているというだけの場所に過ぎぬではないか。もっとも、彼らは、いまだに、ピストルで自殺する決心がつきかねているからであろうが!
    • いままでは、まだ、だれひとり、ほんとうに幸福だと感じたものは無かったようだ。もし、そんな人があったとしたら、それは酔っぱらってでもいたのだろう。
    • 現象の世界には、生きようとする意志が働いているだけで、それよりほかには、なにもなく、しかも、この意志は、飢えているものだから、自分みずからの肉を喰わねばならぬ。
    • 厭世的で辛辣な語り口がさ・い・こー。自意識を刺激されまくった。しかしこのタイトルはどうかと思う。そこまで悲壮な内容でもないと思うのだが、と思ったら解説によると表題に合わせて複数の著書から選訳したものらしい。他の著作も読んでみたい、引用されている文献の中で興味をひかれたものも読んでみたい、プラトンやカントも読んでみたい、と思わされるぐらい良かった。