堀江ふざけんな!

‘おい! ちょっとこれ・・・んもう!‘
正直言って勿論、政治に関心が全くない。そのせいか法律や経済、歴史なんかにも興味がない。特に関係ないけどついでに言うと、数学や論理やらにも興味がない。所詮無能で空想と現実の区別がつかない犯罪者予備軍の危険分子だし、外貌は当然として内面も醜悪だから居るだけで他人に不快感を与えてしまうのは仕方ないにしても、なるべくその程度を小さくするよう前向きに努力しているつもり。下らない個人的で退屈な物事に盲目的な没入を促し、些細な喜びを感じながら生きている俺だった。
数日前から楽しみにしていて、わざわざ積極的に録画までしていたテレビ番組が奴の逮捕のせいで急遽差し替えられていたのだ。その番組とは「アンテナ22」で、「アンテナ22」とは、よく分からないけど倖田來未が出た時とかに何度か見た限り(余談だが俺は彼女を絶対的に支持している)、トレンドを紹介しつつ若者を応援する趣旨のちょっとしたドキュメンタリーっぽい番組なのだろう。一回完結で、毎回扱う内容が変わる。で、昨日は「新米ナース奮闘記」みたいのを放送予定していたのだが、その新米ナースってのが(CMで見た限り)大変可愛らしいお嬢ちゃんだったので楽しみにしていたのに・・・
本当、見るからにまともな家庭で様々な形の愛を受けて育った感じの、多分まともな恋愛とかまともな挫折をしながら真っ直ぐにそだった感じの、しかも可憐な感じの女性だった。誰しも思わず応援したくなってしまうような彼女。そんな彼女がナースになった。「少しでも多くの人の命を救いたい!」という強い信念から。もしかしたら、幼い頃の体験─可愛がっていたペットの死とか、大好きだったお婆ちゃんの死とかが彼女にそう決心させたのかもしれない。しかしそうでなくとも、彼女は自分と同等に他人を思いやれる素晴らしい人格の持ち主で、しかも努力家なのだ。
言うまでもなく医療の現場には大変な出来事がたくさんある。何せ死と隣り合わせの世界なのだ。さしもの彼女も挫けそうになる。自己嫌悪と終わりなき自問自答が続く暗黒の日々・・・離れていくばかりに感じられる夢と現実の距離・・・しかし人一倍頑張りやさんの彼女は、周囲のこれまたまともに温かい人々に助けられたりなどしつつ困難を乗り越え、ナースとして、何より人間として着実な一歩を踏み出してゆくのだ。素晴らしい・・・ま、全体的に想像なんですけど。
彼女自身も周囲の期待に応えるだけの様々な要素をちゃんと持っていて、というのがまた感動的じゃないか! やっぱり、同じことをしていてもゴリラとかブタとかチンパンジーだったら、「はぁ、頑張っていて素晴らしいですね」ぐらいしか感じられず、特に精神に変化が起こるような自体には発展しないはずだ。更に言えば、頑張っていれば頑張っているほど「ルサンチマンですか?」みたいな個人的で卑屈な憎しみが留まること無く湧いてくるばかりだろう(それはそれでいつも通りだが)。
だからといって、彼女が容貌美麗だから素晴らしいとか言いたいわけじゃなくて、色々と主に運に恵まれているような人は何か人によい方向への変革をもたらすような点も含めてやっぱり運がいいと言えるし、そういった意味では人としてかなり劣悪な俺はかなり優れた人が見たいし、また俺だってそりゃ見て勇気づけられるとは言わないまでも何か感じ入って日々にやり甲斐を求めはじめられるような機会を、まぁ一瞬でもいいから望んでいるし。だからメイド宣言やらみたいなマヤカシじゃない本物の、真摯な思いやりを目撃できると確信し期待していたのに・・・
この誰に何に対してか分からない(強いて言えば逮捕された3人)怒りや悲しみの入り混じった虚脱感のようなものに捕らわれないためには、‘後でちゃんと放映し直してくれますように・・・‘とただひたすら願いながら日々を過ごしやるしか方法はない。