幸運にもミキティに笑顔は似合わない

無骨な男が背負う哀愁的なものと並んで俺の大嫌いな、若者らしい刺々しくもピュアな苛立ちが周囲に漂っていた。そうした状況を分かりやすく丁寧に説明してくれた。だから良かった。私は安心して、心の隅に密かな不快感を認めるのだった。

今日買ったもの。ケーブル類、ZIPディスク、同人数冊、小説数冊、CD数枚。

そう言えば、詩人的な厳密に選び抜かれた簡素さにも反吐が出そう。やつら、適度に謙遜するのが気に食わない。仕舞いには憐憫誘って感情移入って、最悪でしょう。ありもしない傷口舐めあってて見苦しい。ついでに、やっぱり小奇麗に洗練された感じも・・・資生堂のCMに出てるような輩は問答無用で全員嫌いだ。あの、ウンコとかしないでもないけどツルツルの卵型ですと言わんばかりの態度! 病むに病まれぬ性欲に悩まされた経験なんてありませんと言わんばかりの、あの態度だ(実際にないのかもしれないが、、、)。自然派志向も、それなら地震とか洪水とかに対策するなと言いたい。極端な話、出来ることからこつこつと積極的に身投げして欲しい、、、


さて、一方私はといえば隙あらば背後から刺してやろうみたいな気持ち(ダムド?)は少しもなく、単純に歩きまわり疲れ、指に食い込むことによって存在感をアピールする荷物類にも耐え切れなくなってきたので帰路につき、駅前に到着した所だった。そこには驚くべきことにメイド様が何故かたくさんいた。どこかのメイドカフェの呼び込みか何かだろうか? 駅前広場の一角で路上撮影買会みたいのが開催されていたのだ。違和感のない異次元が突如眼前に現れた感じ。撮影を求める一人一人に笑顔で対応し、愛らしいポーズをとる彼女達、、、私は胸が締め付けられて、泣きそうになった。憤りからでなく、皮肉にでもなく。純粋に彼女たちはなんと可愛らしく、笑顔が輝いていて、人として魅力的で、対して俺は醜悪で矮小なのだろう、、、との一点に依って。勿論、ご主人様本をホクホク顔で購入した直後だっただけに、足早にその場を俯きがちに通り過ぎるしかなかった。


ともあれ、俺の完全☆アンチメイド宣言は、半年経たずして早くも撤回されそうな状況である。「あんなセルアウトした場所にはいかねぇ」と豪語していた私だったのに、、、あ! 安藤ミキティがメイド服着てたら盛り上がらねぇ? 性的関心を大いに刺激されね? 今ちょっと考えてみて!



ね!